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■marble machine wall 1~2の製作に至るまで
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おもちゃ作家を始めた頃、ビー玉をコンセプトに作家活動することに決めました。ただ、ビー玉を使ったモノづくりをしている人は多いので、作家として特異性を持たせる必要がありました。その中の一つがmarble machineシリーズです。最初は自分の興味本位からなんとなく始まりましたが、だんだんと仕組み作りが面白くなり、日に日に色々な仕掛けのmarble machineが増えていきました。特に旭川で木工の学業をしながら作品を作る日々は、相当な数の作品作りをしていました。その期間は後の“ビー玉世界”の世界観のイメージの根源になる期間になるのですが、その日々の中で漠然と巨大な作品を作りたいと思うようになり、卒業後に保育士として復帰するタイミングで巨大なビー玉転がしを作る部屋を確保出来る物件を探しました。

当時、​旭川で家具作りをしながら、
オートマタやMarbleMachineなどの作品を作り続けていた。

■保育士しながらリノベ•お泊まり会•製作へ
 
仕事を始めてから自宅兼アトリエにしよう!と決めてリノベを決めますが、かなり時間が掛かる作業でした。壁、床、天井、押し入れ解体、、全てやりました。元々広さはあって、あとは清潔感があればなんとかなると思っていたので、日に日に見違えていく我が家を見てモチベーションが上がる日々でした。

 当時は年長児の担任で、引っ越ししてから10カ月後くらいにはちょうどリノベが落ち着いていました。園は年2回のお泊まり会があったのですが、卒園間近のお泊まり会を自宅で行うことになったんです。コロナ禍という事や保育士の自宅でお泊まり会をするというあまり聞いたことのない企画に色々と問題がありましたが、、保護者の理解もあり、実施することが出来ました。自宅で卒園製作や雪あかりを作ったり、ご飯を食べて狭いお風呂に入り、小学校に向けて話をしながら川の字になって寝たりした事は良い思い出です。子ども達が心に残る何かになっていればと思います。卒園児達と寝た部屋はmarble machine wallの作品部屋になっています。彼らが再び足を運んだ時にどう感じるでしょう?そういうことを時々想像しては、今も作品作りを続けています。

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玄関には端材を敷き詰めている。
​現在も修繕しながら日々踏み歩く。
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​卒園製作は木の時計を作り、
パーツを切り出した。
​お泊まり会。庭で雪明りを作って
雰囲気も一段と盛り上がる。
​リノベしたばかりで
まだ何も手を付けていない状態。
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同じように見える​沢山の家の屋根も少しずつ角度を変えて、
街並みらしく平坦な印象にならないようにしている。
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どんぐりを使って人を作るという行為は簡単だが、
これだけの量を作るというのはなかなか時間が掛かる。
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作業をしていると必ず覗きに来る「ワタちゃん」。
​何を思ってみているのやら。

■作品の可能性について
 marblemachine​ wall 1・2は、ほぼ要らなくなった端材を取り付けて、全体の形を成しています。SDGSが取り上げられて数年が経ちますが、そうした観点から見ても端材の価値を見直すという点に関して意義がある作品かも知れません。家具屋では300㎜以下の材を端材とするところも多いですが、今作の場合は小さなものだと10㎜程度です。もはや、製品にするのも難しいサイズ感。そこまで小さいと本当に利用価値がないように思えてくるのも無理はないかも知れませんが、そこにアートの要素を取り入れる事で新たな可能性が見出せます。まさに命を吹き込むような感覚ですが、なかなか多くの人はそうした点に目を向けるほど普段は生活していません。でも、これからの時代を築いていく上でそうした価値の再構築は大事な価値観になるはずです。今作はそうした価値観を打ち出す作品として。そして、今後も何か別の作品を作る際は端材を使ったアート作品として打ち出す事で、自分のモノ作りの可能性を模索したいと思います。

 

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​寝る前に小学校に向けて
インタビュー大会もしました。
​卒園製作の時計は自分でデザインしたものを出来るだけ近いカタチで実現できるようにフォロー。

■苦労したこと
 
marble machine wallは、元々7つほどのビー玉の色々な動きが楽しめるような仕掛けが至る所にある仕様の作品を作る予定でした。ですが、想定していた仕掛けは時間を掛けても思ったよりもうまくいかず、失敗続きでした。しかし、開業に合わせて製作をしている点もあったので、なんとか開業までに間に合わせたい気持ちから妥協を重ねて、今の形に至りました。そこからは吹っ切れたようにその形をいかに面白く魅せるか、、という事に焦点を絞り、取り組みました。最初の完成イメージからはだいぶズレていますが、それがかえって自分の想像を超えた作品になっていて良かったです。

 marble machine wall2は前作からの続作になるので、いかに進化したように見えるかという部分が製作のポイントでした。又、アトリエを運営をしていく中で分かったのですが、子どもは‟ビー玉を自分で持って転がしたい!”という子も多く、前作は鑑賞するだけに特化したような作品でもあったので、今作は作品の中に自身でハンドルを回してギミックを動かしたり、自分の手でビー玉を拾い集めたりする部分を作り、見ても遊んでも楽しい作品へと進化させました。全体を見てみると、新たに設けた街並みだけではなく、前作が緑で覆われています。おそらくこれがないと前作に新たに何かをくっつけただけの印象になるのですが、前作部分も追加して大量に端材を取り付けたり、前作よりも色味に深みを持たせたりしたことや端材のサイズの幅を増やして、より奥行きのある作風に仕上げるように工夫しました。今作はこの全体のボリューム感を上げる作業に多くの時間を費やし、大変でしたね。

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どんなに小さな素材でも​端材に着色をするだけで、​生まれ変わる可能性がある。汚れた台も作業の積み重ねと捉えると、美しいアート作品に思える。
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