Giant Sprit King
アトリエの入口で出逢う巨大な木精霊「Giant Sprit King」の
製作に至るインスピレーションから具体的な形にするまでの道のりの考察と今後
今まで何もなかった階段横のスペース。階段を登る度に何か大きな物を作りたいと思い続け、常に気掛かりだった。
枝をチェーンソーでサイズ別でカットしていく。今作の製作の為にチェーンソーを新たに購入した。
01 Giant Sprit Kingの存在とは?
アトリエが少しずつ遊び空間として落ち着いてきた2024年の夏。アトリエのシンボルとなる「Marble Machine wall2」以外でも様々なスケールの大きい作品を作りたいと思うようになっていた。人は巨大なものに対して崇拝の念を抱く心理が働く。自然崇拝としては山や海が挙げられるし、建造物に対してだと巨大なピラミッド、万里の長城、高層ビルがその一例だ。そこには自分では手の届かない超越したものを感じるが故に畏敬の念を抱かせる。単に大きな作品というだけでパワーを持つ。アトリエに来る様々なお客さんはビー玉の遊びを楽しみにして訪れる方も多い。そうした状態で訪れる人々を出迎える存在が単に大きな存在というだけで期待感も増すと思い、日頃から温めていた構想を今回形にした。今後、Giant Sprit Kingが今後どういうカタチで季節を巡っていくのか。屋外に常時置いてあるので雪に埋もれていくが、かなり大きいので頭だけは突き出るような形になる。もしかしたら、今後の姿も少しずつ変化するかも知れない。
02 マリオネット”エド”との関わりは?
アトリエにはマリオネット「エド」と「アニ」という男女のキャラクターがいる。アトリエには沢山のおもちゃ達がいてそこで暮らしているような、何か物語が紡がれているような、、そんな雰囲気が感じられるように世へ送り出している。今回のインスタのリール動画では、(2024.8.15)アニに見送られて旅に出たエドが巨大な精霊に出逢い、その大きさに驚愕した様子をリール動画で公開した。この先のエピソードをどのように展開していくのか、、そこまで正直考えていないが、彼らがこの先どうなっていくのか想像していくと面白いかも知れない。エドは一見何を考えているか分からないキャラだが、そのつぶらな瞳は実にユーモラスなキャラである。このキャラは操作のしやすいマリオネットとして製作した第1号ということもあって愛着があり、しばらくアトリエで製作した色々なものを目の当たりにしてもらおうと思う。
エドが旅に出る様子
驚愕な表情、、実際は動画
なのでプルプルと震えている。
ただの崖だと思い登り続けるエド。
階段横で子ども達と一緒に記念撮影するような姿も想定していたが、実際は存在にあまり気が付ないものになった。
木のロボットとしてデザインを始める。目は沢山のビー玉を詰め込んだものにしようと考えていた。
03 製作過程で苦労したところは?
今作は元々”巨大な木のロボット”を作ろうとしていた経緯がある。実際、事前に描くデザイン画は木のロボットのような雰囲気の要素が組み込まれている。ただ、実際に取り組んでみると自分の思っていたイメージとは良くも悪くズレていくもので葛藤があった。最初にコンセプトとしてロボットとして通しているのに、そのコンセプトを壊してロボットではない「巨大な精霊」ということにして良いのか、、。ここでいかに自分のこだわりを見切ったり、粘ってこだわったりしてみるかはその場にある材料や作品を仕上げる工期の見積もりによって大きく変わってくる。今回の場合は2024年7月末構想で8月中旬には仕上げたい意向もあった。他に製作したい作品も数多くある。
途中でロボットにするのは難しいと感じたのは、腕の関節や全体に枝を施した見た目にしたことで木質感が思ったよりも強くロボットの要素として補足的に目や耳を足しても、ロボット感が出なかった点にある。そして、ここに無理にメタリックなモノを付けて足していくような時間はなかった。もしも、身近にメタリックなモノを自在に取り付けられるほどの素材があれば作品の質はまた違ったものになっていたかも知れない。ただ、現在の形にして良かった点としてはアトリエの外観の雰囲気を損なうことなく、しっかりと馴染んでいる点である。全体の大きさは高さ2.5mもある巨大な存在であるが、来店する子ども達も怖がったり泣いたりすることなく、気が付いてない子どもすらいる。こちらとしての意図はアトリエに入る前からの圧倒的なスケール感を感じてほしいがアトリエの一部として生きているのであれば、今回はこの状態が正しかったということにしておく。
今作は木のロボットを枝で表現したので、木の端材などで表現するとまた別のモノが出来るかもしれない。
04 他にもこうした作品は考えている?
今回の作品のように大きな作品を製作してみたいと思う場所はもう一つある。それは階段横に蔦が生え広がる塀の中に小道のスペースがあり、そこがちょうど新たな作品を置けるのではないか?、、と随分前から考えている。具体的には塀の中から巨大な巨人が塀からこちらを覗き見るような姿で隠しきれない大きな姿が見えてしまう、、というものである。その巨人を人々が見付けた時にどのような反応を示すだろう。そして、自分はどのような気持ちでその作品と向き合い製作に至るのだろう。今の規模感のアトリエとしてどこまで続けていくのか分からないが、それでも誰もが感動する圧倒的な世界観がないことには自分が進みたい次のステージへの道はないだろう。自分にとってもアトリエがワクワクするような場所にすることは大切なことである。こんな場所は他にないと思えるくらいの創造物達を詰め込んだ世界にしていきたい。2024.8.25