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子どもにとって良い玩具とは?

 まず、はじめに申し上げたいのは“子どもにとって良い玩具とは?”というテーマは、玩具による影響について考える様々なお仕事をされている方による多様な見解や定義に基づいて数多く提唱されているという事です。なので、これが一番良い玩具という事はもちろんここで断言出来るはずがありませんし、子どもにとっても“良い玩具”というのは一人一人違いますし、年齢によっても大きく違います。そして、玩具には色々な発達の狙いがある玩具があります。これは指先を使って遊ぶ、目で追って集中する、耳を澄まして聞いたり感じたりする、人とやりとりしながら楽しむ・・・など、考えてみると色々あるでしょう。
 この玩具が一番良い!という事は言えませんが、私が思う“子どもにとって良い玩具とは?”について考え、3つの玩具を挙げてお伝えしていきたいと思います。
 
【1 積み木 】
 まず、パッと思い付くのは「積み木」です。積み木遊びというと、高く積み上げたり、家やお城など建造物を作るイメージの方も多いかと思いますが、平面に並べて遊んだりも出来るので、1~2歳からでも少しずつ積み木遊びを始められるのです。そして、徐々に積み木を積み上げる事の楽しみを知り、人形を入れて部屋を作ったり、家を作ったりする。積み上げる高さを競ったり、協力して皆で大きな建造物に挑戦するということもできます。さらに言えば、幼児期に限らず小学生になっても積み木というのは捉え方や工夫次第で遊びの題材に出来る物なので、長期的に遊べるものとして活躍が出来ますよね。また、自分なりに考えた形や積み上げ方で“工夫”することが出来る、それは与えられた形の中で遊ぶよりも自分なりの想いを製作物に向けることが出来る。そんなオリジナリティーに幅が出せる積み木遊びはまさに魅力的です。そういった観点から、積み木には各年齢に合わせた遊びが出来る応用力があるので、お勧めです。
 
【2 ままごとあそびの玩具】
 二つ目は「ままごとあそびの玩具」です。ままごとあそびの玩具・・と言えば、例えば、食べものに見立てた食材やなべや包丁にお皿があります。時にはエプロンを身に付けてレストランごっこをする。またはお母さんやお父さんになりきったり、赤ちゃん役になりきって遊んだりする。こうしたやりとりをする中で使う玩具はどれもままごと遊びをするときには欠けてはいけないものばかりです。そして、自分のイメージで相手に言葉を掛けてやりとりしていきます「ご飯が出来るまでここで座って待っててね」「仕事にいってきます」「そろそろ寝る時間だよ~」など、子ども同士が知っている身近な大人のイメージでどんどんその世界が進んでいきます。この人と人とのやりとりは大人になるまでに必要な相手の距離感や想いの伝え方などを遊びながら自然に学ぶことができます。
 
 玩具とは「子どもが持ってあそぶ道具」です。怪獣、ミニカー、レゴ、人形などだけが玩具ではなく、実際になりきって遊ぶ事が出来る為に使う道具・・それもまた“玩具”なんですよね。これからはどんどんスマホなどインターネット機器で簡単にやりとりが可能になり、それは少なからず知らず知らずのうちに大人から子どもに影響を与えていくでしょう。そういう事も考えると、子ども時代に人と人とが向き合ってやりとりをする上の「ままごと遊び」で使う色々な玩具は、人として形成していく為の必要な玩具だと感じます。
 
 【3 大人になっても心に残る玩具】
 最後に3つ目はビー玉遊び!と書きたいところですが、子どもにとって良い玩具とは抽象的な表現でして、それは「大人になっても心に残る玩具」です。それも自分でどんな風に遊んだのかをよく思い出せる玩具は、たとえ周りの大人が紙くずやごみのようにしか見えなくても、その子どもにとっては良い玩具です。(現代はそんなことあまりないかも知れませんが。。)なぜなら、良く思い出せるという事はそれだけその玩具で色々と遊んでいたから思い出せるのでしょう。そこにきっと自分なりの工夫があって、こだわりもあり、好きだった。そういう気持ちになるような物は良い玩具だと、私は思います。
 話は変わりますが、良い玩具ランキングというのがあります。あれは大人が子ども達に与えてみた統計的なものであるし、客観的に大人が人気のある、ないを決めたものでしかありません。 なので、玩具の購入を考えているのであれば、そうしたランキングや流行りなど左右されない玩具選びをしてほしいですね。 
 
 【番外編 おもちゃ選びについて】
 おもちゃ選びではどれだけ長く遊べるのかや値段など意識して選ばれる方も多いと思います。特におもちゃの値段の高さに圧倒される方も多いでしょう。私もよく思います。苦笑 でも、値段の高い玩具はそれだけ長く遊べる幅ある玩具が多いのも事実です。(これは安い値段の玩具は良くないと言っている訳ではありません。)逆に、時期的に流行る戦隊モノなどの玩具はその場しのぎの玩具である側面があると思うし、“カタチ”から入ってなりきって遊ぶのでそれ以上の自分で物語を作っていくのが乏しくなってしまいがちです。
 
 例えば、時期的なおもちゃを定期的に買うとしましょう。年間で考えたら、1~2万くらい・・もしかすると、もっと掛かっているかもしれません。そんな時期的なおもちゃはいずれ飽きていき、、新しいものが欲しくなります。そして、それを毎年繰り返していくと過去の玩具の役割はというのはどんどん古いものとして扱われ、遊びの価値無くなってしまうでしょう。そう考えていくと、多少値が高い玩具でも何年も遊び続けていくなら決して高くありません。わかりやすく言えば、家電やスマホの分割払い。あれも日常的に必要だから、高い代金を支払うし、定期的に玩具を買っているのならドン!と買っても高くない訳です。子どもにとっては遊びは学びであるし、玩具は日々の心の栄養です。玩具の栄養失調のまま育っていくと、細い心で育ち、それはやがて折れるかもしれません。
 
 ただ、そうして高いお金を出して買ったのだからこれでずっと遊んでね、と子どもに与えっぱなしにするのもいけません。新しく買った玩具でどのように遊び、どのような方法で遊べるのかを色々と一緒になって考えていく必要があります。もちろん、子どもがその玩具に興味がある時はそれを見守るのも良いでしょう。ですが、興味が薄れ他の玩具を欲しがっているような時こそ、一緒になって、こんな風にしたらもっと遊べる!こんな風にしたら面白い!と話合いながら遊んでほしいですね。こうした遊びの展開のしやすさを考えると、1で述べた「積み木遊び」は本当に素晴らしい遊びの素材なのではないかと思います。
 
【おわりに・・】
 ここまで書いて言うのも変かもしれませんが、私は決しておもちゃ屋の回し者ではありませんからね?笑 あー、気が付けばこれだけの量を書いてました。苦笑 おそらく、今後色々な方々に子どもにとって良い玩具とは?と聞かれてきた時にどう応えようか・・では困るので、よく考えた結果、これだけの文章量になったのです。苦笑 でも、自分にとっても何を考え、どう応えていけば良いのかまたひとつ手がかりが見つかったような感じです。まだまだ考えが浅いところがあると思いますが、今の私の考えはこんな感じですなるべく考えがブレずに何年か先も同じような事を話することが出来ればカッコイイと思います。笑 
 
 以上、子どもにとって良い玩具とは?でした。
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